2009年3月27日金曜日

生きた化石の価値

生きた化石と言っても、ごく普通に身近に生息するものもある。ゴキブリやソテツなどはその例である。しかし、化石でのみ知られ、はるか昔に絶滅したと考えられていた生物が、突然、発見されることもある。シーラカンスやメタセコイアの発見は、現在では伝説的な物語として語られる。

化石は過去の生物を知る重要な手掛かりであるが、化石資料は断片的なものが多い。化石に残らない生物があることは当然としても、化石が出るにせよ、化石から知ることのできる、その生物の姿は完全なものではない。内臓器官の構造まで判明するような化石はきわめてまれである。しかし、化石で見つかる生物が、現在も生きて発見されれば、それを手掛かりに化石資料を理解し、逆に化石で分かるその生物の位置付けから、その生物の再評価が可能になる。生きた化石は進化や種分化を理解する上で、分類学や古生物学では重要なものである。たとえばイチョウから精子が発見されたのはその代表的なものであろう。

ただし祖先種の形態を完全に残しているわけではない。鳥のように、分子的には祖先種とあまり変わっていないが形態は大きく変わったものもあれば、サメのように形態はほとんど変化していないが分子的には祖先種と大きく異なるものもいる。つまり表面的に変わっていないように見えるだけで、全く変化していないわけではない。

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